目次・索引・著者紹介
第1章
誰でもできる簡単セットアップ――1の1
ダイアルアップ接続
―Macintoshの場合
内山映子
インターネットはこの2,3年で世間に広まり,インターネット,WWWや電子メールといった用語もかなりの市民権を得るようになった.以前と比べて大きく異なる点は,以前は学術的な組織が大きなネットワークを構築していて,ユーザの職種もかなり学術フィールドに限定されていたが,最近では商用プロバイダが参入し,誰でも手軽にインターネットを利用できるようになったことだろう.そんな世の中の流れに伴い,クローズドのネットワークであったパソコン通信業者もインターネットへの参入を始めた.いかに大規模なパソコン通信と言えども,無限に広がり続けるインターネットの情報量にはかなわない.LANの構内以外からインターネットへアクセスする仕方としてポピュラーなダイアルアップIP接続について,ここではASKnetとNIFTY−Serveからの接続方法について説明する.
1.ダイアルアップIP接続
ダイアルアップIP接続とはネットワークプロバイダとその会員の利用する端末とを電話回線を用いて接続し,そのネットワークに対してIP(Internet Protocol)による相互通信をする方法で,これによって電子メール,ネットニュース,telnet,WWWなどのインターネットで利用できるアプリケーションを動かすことができるサービスである.こういったネットワークプロバイダとPPP(Point to Point Protocol)を用いたダイアルアップ接続の契約を結べば,自宅からばかりでなく電話があるどこからでもインターネットに接続することができる.
2.PPPに必要なもの
PPPをするのに必要なものは,ハードウェアではMacintosh,モデム,電話回線である.ソフトウェアとしてはNetscape,NCSA Telnet−J,EudoraなどのインターネットにアクセスするためのソフトウェアとMacTCPなどの構内LANで用いていたソフトウェア,それにPPP用のMacPPPなどのソフトウェアがあればよい.それからPPPをするためのネットワークプロバイダから発行されたアカウントとパスワード,またそれ以外のプロバイダのアクセスポイントの電話番号等の必要な情報はあらかじめ知っていなければならない.PPPの設定に必要な情報はネットワークプロバイダによって多少異なるが,設定の仕方は基本的に同じである.

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今回は,ASKnetの好意により,まだインターネットを試したことない読者にプロバイダ契約をしなくても無料でインターネットを体験できるお試しアカウントが提供されることになった.本書の巻末に付いているハガキを送ると,ほぼ2週間弱の期間インターネットを無料で体験できる「アスクネットインターネットサービス」の仮IDとアクセスポイントの一覧が返送されてくる.アクセスポイントは東京をはじめ全国19カ所に設置されているので,一番近いところにアクセスしてほしい.これは期間限定のお試しIDだが,その後もASKnetとプロバイダ契約を結びたい方は,ASKnetのホームページ<http://www.ask.or.jp/>に提供サービスの内容や料金体系,申込方法が出ているので,直接ASKnetに申し込むとよい(TEL:0120-860-849 FAX:03-5827-8134).
3.実際の設定
PPPを利用するには,以下の設定が必要である.
(a) PPPのインストール
(b) PPPの設定
(c) MacTCP(TCP/IP)のインストール
(d) MacTCP(TCP/IP)の設定
国内外では現在数えきれないほどのネットワークプロバイダがあり,ダイアルアップ接続サービスが行われている.ここではASKnetとNIFTY−Serveを例にとってPPPの接続方法を解説するが,この2つは接続してきた者が誰であるかの認証を行い,登録ユーザであることが確認されたものに限って接続が許可される,2点間をつなぐ(Point to Point Protocol)ための認証方法に大きな違いがみられる.
4.ユーザ認証の方式
(1)Authentication方式によるユーザの認証
ASKnetなどのように電話回線接続の完了直後にAuthentication(PAP=Password Anthentication Protocol)を行うもの.
(2)Connect Script方式によるユーザの認証
NIFTY−Serveのようにパソコンで言うオートパイロットのように,ユーザが手動でログインする部分をScriptと呼ぶプログラムで,再現する形をとるもの.設定はAuthentication方式よりも面倒だが,その分自由度は高い.
(1),(2)ともネットワークプロバイダが採用しているユーザ認証の代表的な方法であるが,現在NIFTY−Serve以外の多くのネットワークプロバイダはAuthentication方式によるユーザの認証を行っている.(1),(2)の設定はどちらもConfigPPPの詳細設定のところで行うが,方法については後述のそれぞれの設定のところで詳しく説明する.
5.ASKnetへの接続
ダイアルアップ接続のために必要なものが揃ったら,初めてインターネットの接続を試みる方のために,巻末ハガキを送って無料体験できるASKnetへの接続を実際に行ってみる.この通りに設定すれば,誰でも簡単に接続することができるはずである.また,他のネットワークプロバイダとのダイアルアップ接続もたいていは同様の方法で行うことができる.
(1)PPPのインストール
[MacPPPはどこにある]
MacPPPは,機能拡張ファイルである「PPP」(図1)とコントロールパネルの「Config PPP」(図2)の2つから成り立っている.ネットワーク上から自由に取ってくることができるフリーウェアであり,いろいろなバージョンがあるが,MacにIP通信を行わせるMacTCP等のソフトの中で,最新バージョンであるOpen Transportに対応しているのはFreePPP1.0.5以上である<URL:ftp://ftp.riken.go.jp/pub/info-mac/_Internet/_Connections/free-ppp-105.hqx>.このFreePPP1.0.5はインターネット内のInfoMac(anonymous−ftpサーバの1つ)と,その内容を定期的にコピーしてあるanonymous−ftpサーバ(ミラーサイト)からとってくることができる.漢字Talk 7以降のシステムを使っている場合には,付属のCD−ROMに入っている.またインターネット関連の雑誌の付録CD−ROMに入っていることもある.
図1 PPPのアイコン
図2 Config PPPのアイコン
[MacPPPのインストール]
CD−ROM等から「PPP」と「Config PPP」を選び,システムフォルダにドロップまたはコピーする.漢字Talk 7以上のシステムでは「PPP」は「機能拡張フォルダ」に,「Config PPP」は「コントロールパネル」へ入れてもよいかとのダイアログが出るのでOKする.これで自動的にコピーされるので,Macintoshを再起動する.以上でインストールは出来上がりである.
(2)PPPの設定
[Config PPPの設定]
MacPPPはPPPとConfig PPPの2つから成り立っているが,実際の設定をするはConfig PPPの方で行う(図3).
図3 ASKnetのConfig PPP
1)コントロールパネルからConfig PPPを起動する.
2)「Port Name」はMacintoshとモデムのつなぎ方を選択する.通常,「モデムポート」や「GeoPort」,「内部モデム」を選択する.「モデムポート」を選択する場合にはデフォルトで表示される「Modem Port」をそのままにしておくのではなく,一度自分でクリックして「モデムポート」を選択する.
3)「Idle Timeout」はNoneを選択する.
4)「Echo Interval」はOffを選択する.
5)「Disable Auto Connect」はチェックする.
6)「Terminal Window」はチェックしない.
7)「Hangup on Close」はチェックする.
8)「Quiet Mode」もチェックする.
9)「Long Re-dial Delay」はチェックしない.
10)下の3つあるボタンのうち「New...」を選び,接続先の名前を入れる.ここでは「ASKnet−Tokyo」とする.
11)左下の「Config...」の欄をクリックして接続先の設定画面を出す.
[「Config...」の設定](図4)
1)「PPP Server Name」はネットワークプロバイダを識別できる名前を入れる.ここでは「ASKnet」と入力する
2)「Port Speed」はモデムの速度を選択するが,使用するモデムのスピードよりも速めに設定する.例えば,14400bpsのモデムを使用する際にはそれよりも速い19200bpsに設定する.それぞれのケースでこの設定は異なるので,状況に応じて設定する.
3)「Flow Control」は通常「CTS&RTS(DTR)」にする.もし接続がうまくいかない場合には「CTS Only」にしてみる.
4)「Tone Dial」「Pulse Dial」は,プッシュホンの場合はTone Dial,ダイアル式電話の場合はPulse Dialを選択する.
5)「Phone num」はネットワークプロバイダのアクセスポイントの電話番号を入れる.ここではASKnetの番号を入力する.
6)「Modem Init」は特に入力する必要はない.
7)「Modem connect timeout」は,デフォルトの「90 seconds」でよい.
8)その下にある「Connect Script...」「LCP Options..」「IPCP Options..」は特に設定の必要がない.「Default」を選択しておく.
図4 ASKnetの「Config...」の設定
[「Authentication...」の設定](図5)
1)「Auth. ID:」にはプロバイダが発行したユーザID(アカウント)を入力する.
2)「Password」にはプロバイダが発行したパスワードを入力する.
3)「Retries」は10times,「Timeout」は90seconds位に設定しておく.
4)設定が終わったら「OK」をクリックし,ウィンドウを閉じる.
図5 ASKnetの「Authentication...」の設定
すべての設定が終わったら「Done」をクリックし,Config PPPのウィンドウも閉じて,システムを再起動する.
(3)MacTCPのインストール
MacTCPはMacintoshにTCP/IPによる通信を行わせるソフトである.漢字Talk 7.5.2以上のMacintoshにはMacTCPに代わってTCP/IPが標準として入っており,最新バージョンではOpen TransportがTCP/IPに変わっている.漢字Talk 7.5以上のMacintoshには標準で付いているが,それ以前のバージョンなどで入っていない場合には以下の通りにMacTCPをインストールする必要がある.
[インストール]
CD−ROMなどを読み込んでデスクトップに現れたMacTCPのアイコンをコントロールパネルに直接コピーする.Macintoshのバージョンが異なる場合には,「カスタムインストール」から「ネットワーク関連ソフト」を選び,ソフトをインストールする.Open Transportも同様にインストールする.インストールが完了したらMacintoshを再起動させる.
(4)MacTCP(TCP/IP)の設定
インストールが完了したMacTCPを設定する(図6).
図6 PPPを選択する
[MacTCPの場合]
1)まずコントロールパネルのMacTCPの画面からPPPを選択し,「詳しく..(More)」ボタンを押し(図6参照),さらに詳しい設定情報を入力する.
2)左上の「Obtain Address:」の欄で設定の方法を選択する.「Server」と書かれている左にあるボタンをクリックして選択する.
3)次に「Routing Information:」の欄には通常Gateway Addressを入力するが,この欄は設定の必要はない.
4)「IP Address:」の欄も特に設定の必要はない.
5)「Domain Name Server Information:」欄の,「Domain:」の欄にはそのドメインのアドレス(ここでは「ask.or.jp」)を,IP Addressの欄にはそのドメインのIPアドレスを(ここでは「203.179.96.1」)を入力する.
6)Domain Name Serverの欄の右にある「Default」を選ぶボタンをクリックする.
7)左下の太い枠で囲まれた「OK」のボタンをクリックする.
8)MacTCPのウィンドウを閉じ,Macintoshを再起動する(図7).
図7 ASKnetのMacTCPの設定(図のIPaddressは203.179.96.1に変更しています)
[TCP/IPまたはOpen Transportの場合]
TCP/IPやOpen TransportはMacintoshのIP通信用ソフトである.TCP/IPまたはOpen TransportをMacTCPに代わって利用する場合の設定を次に説明する(図8).
図8 ASKnetのTCP/IP(Open Transport)の設定
1)「Connect via:」の欄では「FreePPP」を選択する
2)「Configure:」の欄では「Using PPP Server」を選択する
3)ここまで設定すると以下の「IP Address:」,「Subnet mask:」,「Router Adress:」の欄は「will be supplied by server」と表示されるので特に設定しない.
4)「Name Server addr.」の欄では左の欄にはネットワークプロバイダのドメインのIPアドレスを(ここでは「202.230.114.1」),「Search Domains:」の欄にはネットワークプロバイダのドメインのアドレス(ここでは「ask.or.jp」)を入力する.
5)設定ができたらウィンドウを閉じる.この時保存するかどうか聞いてくるので「保存」を選択する.
続く