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第1章
誰でもできる簡単セットアップ――2の1
ISDN回線からの接続の前に
牧原真治
ISDN(Integrated Services Digital Network)は,国内ではNTTがINSネット−64という名称でサービスを行っているデジタル通信網である.ホームページは<http://www.info.hqs. cae.ntt.jp/dlij/SER_J/ISDN_J/ISDN_J.html>にある.
従来のアナログ回線では最高28,000 bpsのスピードでしか事実上通信できないが,INSネット−64では,64,000 bpsまでスピードを上げることができる.さらに,INSネット−64では同時に2チャンネルを使うことでその倍の128,000 bpsで通信することもできる.さらに,デジタルであるためエラーがほとんどなく,高品位の通信が可能である.こうした機能を最大限に生かした利用法としてネットワーク型接続がある.まず一般的な端末型接続について述べ,次にネットワーク型接続について述べる.
1.ISDNの導入
ISDNを導入する場合,DSUという機械を今まで使っていたアナログの回線に接続することでISDNに変更することができる.工事費は2〜3万円である.ISDNに変更すると,今まで使っていた電話は使えなくなるのかと言うと,そうではない.DSUからさらにターミナルアダプタを使ってアナログに変換すれば,今まで使用していた電話もFAXも使用することができる.さらに,ISDNは1回線に最大8個までターミナルアダプタを接続することができ(同時に8個使えるわけではない),それぞれをサブアドレスで指定することもできる.ただし,サブアドレスが指定できるのは,相手方もISDNを使用している場合だけであるが,ダイアルインサービスを利用すると,複数の電話番号を使ってサブアドレスを区別することも可能で,アナログ回線からも区別して利用することができる.
ISDNは,「2B+D」と言われるが,Bは64 Kbpsの通信チャンネルで,Dは16 Kbpsの通信チャンネルである.つまり,64 Kbpsのチャンネルが2本使えるわけである.アナログ回線からの電話はBチャンネルを使用するが,同時に2カ所まで通話することができる.Dチャンネルは,主に回路制御用に使用される(Dチャンネルを使って通信する機器もないわけではない.気象観測データのように,データ量は少ないが24時間接続しておく必要がある場合に利用されている.通話料は,流れたデータの量にしたがって課金される).
ISDNを使って見て最初に感じるのは,接続までの時間が短く,「あれ?もうつながってしまったの!」と思うほどである.モデムでの接続では,ダイアルして呼び出し音が鳴りモデム同士のニゴシエーションがあり,総計30秒くらいかかるのが普通であるが,ISDNを利用するとほんの2〜3秒で済んでしまう.これは,Dチャンネルを使って接続情報の受け渡しを行っているためで,この中には通信クラス(通信データの種別)も含まれる.情報がアナログであるかデジタルであるかを区別することができるため,ターミナルアダプタのレベルでクラスが適合しない場合には,回線を接続することはできない.また,複数ターミナルアダプタが接続されている場合,サブアドレスを指定しなくとも適合するターミナルアダプタが自動的に応答する.
2.ターミナルアダプタの選択
ターミナルアダプタの選択基準については,これまで利用してきたモデムをそのまま使いたい場合,これまで使っていた電話をそのまま使いたい場合,デジタルだけでよい場合と,さまざまな状況が考えられ,それぞれ求める環境によってターミナルアダプタを選択するのがよい.これまで使ってきた電話・モデムを使いたい場合には,アナログポートのあるものを,デジタル通信を行いたい場合にはデジタルのシリアルポートが付いているものを選択すればよい.最近発売されたものの多くはアナログ・デジタル両方のポートを備えたものが多くなっている.また,コンピュータに内蔵する拡張ボードの形で提供されるものもあるが,一部にはこのボードにアナログポートが内蔵されたものもある.