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第1章

 誰でもできる簡単セットアップ――3の1

LAN接続―Macintoshの場合

内山映子

 Local Area Network(LAN)はここ数年のネットワーク環境の整備に伴って多くの施設において導入が進められている.かなりの数の大学で学内LAN,インターネット接続が整備されている.また多くの企業,研究所等においても同様にネットワークが敷かれている.こういった環境があるのなら利用しない手はない.ネットワークにつなぐことで得られる情報量の多さ,使い勝手がいかによく,仕事の効率アップに役立つのかなどということは,展示会場で他人のデモを見るだけではわからない.実際に自分で動かしてみて,自分のニーズにあった仕事をしてこそ初めてそのメリットが実感できることだろう.はっきり言えるのは,絶対に得であるということだ.一日も早くそれに気付くためにもまずネットワークに接続してみよう.

1.接続する前に

(1)配線と端子を探す
 LANが整備されている環境であってもまず施設内のLANケーブルがどこまできているのかを調査する必要がある.自分がMacintoshを設置したい場所の近くまで配線がきているかどうかを確認するためである.通常の場合,10Base−Tという電話のモジュラージャックのようなコンセントがあると思う.これがネットワークにおける基本的な端子である.通常はここにただパソコンを接続ケーブルを用いて接続すればよいのだが,この端子を利用して接続しようとする機器が2台以上ある時には,電気のコンセントと同様に複数接続できるようなものをこれに付けないといけない.これをHUB(ハブ)という.これを使って複数台のパソコンと星形に接続するかたちをとる.
 最近は,ネットワーク環境を考慮して10Base−Tなどのネットワーク接続用モジュラーコンセントがあらかじめあちこちに設置されている建物が次第に出てきたようだが,既存の建物に後からLAN工事をしたものなどではあまり親切な配線が施されていないものが多く,ネットワークにつながった端末を設置したい部屋に配線がされていなかったり,一般にイエローケーブルと言われている10Base−5形式のEthernet同軸ケーブルが引かれているだけの場合がある.このような場合には端末を設置する場所までの工事をする必要がある.この工事はネットワーク配線業者に頼んだほうがよい.あとで何かトラブルが起きるとかえって高くつく.また,イエローケーブルからの配線工事だとトランシーバとトランシーバケーブル,複数台用に利用する際にはHUBなどの機器が必要になる.こういったもののうちどれを選ぶのかなどといったことは慣れている業者に相談し,任せたほうがよい.その際には将来接続台数が増える時のことを考慮して設計したほうがよいだろう.

(2)設定のために必要なソフトウェアと情報を揃える
[ソフトウェア]
 上記のどちらの形で接続するにせよ,接続しようとするMacintoshにネットワークへつなげるための設定を行うことは必ずしなければならない.漢字Talk 7.5以上のMacintoshには,ネットワーク環境を意識したためかMacTCPというソフトが標準装備として入っているが,それ以前のバージョンなどでもし入っていない場合には,MacTCPをインストールする必要がある.このソフトはMacintoshにインターネットの標準であるTCP/IPによる通信を行わせるためのものである.MacTCPは,本書の前作「マッキントッシュとインターネット(羊土社),1995年発行」に添付のフロッピーディスクに収録されているし,最近ではインターネット関連の雑誌等の付録でCD−ROMで付いてくる場合もある.インストーラを起動して「カスタムインストール」でネットワーク関連ソフトを選び,インストールする(図1).

 図1 MacTCP(TCP/IP)のインストール

[設定に必要な情報]
 設定情報は,接続の設定をする前にあらかじめ調べておかないといけない情報である.ネットワーク管理者に以下の情報を確認しておこう.また,ネットワークの運用方法は組織によって異なるものの,多くの組織においては新規に端末の登録をする場合には接続予定日よりも前に申請しておかないといけないところがほとんどであることは注意しておくべきだ.新規登録申請してIPアドレス(IP番号ともいう)を発行してもらうほかにも,以下の情報を管理者から教えてもらうことが必要である.

<設定に必要な情報のリスト>


IPアドレスと電子メールアドレスとを混同する初心者ユーザが非常に多いが,この2つは別々のものである.電子メールアドレスはユーザ個人のIDであり,初期パスワードとともに発行され,電子メールやtelnetを利用する際に必要である.一方IP番号は機械に対するID番号であり,管理者から発行されたこの番号をMacintoshに正しく設定してある機械でないとネットワークを利用することができないばかりでなく,他人に迷惑をかけるので注意が必要である.IPアドレスと電子メールアドレスのどちらも他の人や機械とは一致しないよう設定されている.電話番号と似たようなものだとイメージしてもらえればわかりやすいかと思う.

2.設定事項の入力

(1)漢字Talk 7.5以前のバージョンの設定
図2 MacTCPの設定画面(LocalTalk)図3 MacTCPの設定画面(Ethernet)
 3)次にIPアドレスを入力し,その後,画面下部にある「詳しく...(More)」のボタンをクリックすると図4,5,6の画面が展開する.
図4 MacTCPの設定書き込みシート
図5 MacTCPの設定例
(この設定は決して使わないこと)
図6 日本語版の設定例
(この設定は決して使わないこと)
(2)漢字Talk 7.5以上のバージョンの設定
 漢字Talk 7.5以上のMacintoshではMacTCPの設定フォーマットが上記のものとは異なっている.7.5と7.5.1はOSに入っている.7.5.2以上のPower Macintosh7200,7510,8500,9500,Power Macintosh 7215,8515,9515 for Publishingでは,MacTCPに代わって名前も新たに「TCP/IP」がコントロールパネルの中に標準として入っている.コントロールパネルからTCP/IPを選んで開くと以下のようになっているので,前述の設定事項がわかっていれば順に必要なアドレスを入力していくだけでよい.表記は以前よりもシンプルになっているので,以前のMacTCP/IPのように多くの設定事項を入力しなくてもよいようになっている(図7).

 図7 System7.5.2のMacintoshにおけるTCP/IPの設定例

3.設定ができたら

 以上の設定ができたらMacTCPを閉じてMacintoshを再起動させる.これで設定は完了である.MacintoshにNetscapeなどのソフトをインストールし,外との通信ができるかどうか試してみよう.設定がうまくできていないとソフトを動かした時に「DNSエラー」と表示されるので,自分の設定を確認する目安としてはよいだろう.

おわりに

 ソフトウェアは文字通り日進月歩でバージョンアップを繰り返している.以前設定したTCPとは表示形式が異なるものも多くあるが,新しい機種になればなるほど使いやすく,簡単にできるよう改良されているので,表示されている通りに設定していけば大丈夫である.また機械を新しく取り替えたり,修理しようとしたらそれまでの設定が消えてしまってそれきり,ということがよくある.基本情報を手元に控えておいて,何かあった場合にもすぐ自分で対応できるように心がけておこう.