内山映子
やっと自分のMacintoshを勤務先や研究室のLANに接続することにも成功し,インターネットにもアクセスできるようになり,仕事の効率も上がるのだとわかってきた頃のユーザが次第に考え始めるのが「仕事場の環境をそっくりそのまま自宅や出張先で再現できないものか」ということだろう.仕事場のMacintoshの働きがよければよいほど,Macintoshへの依存度は高くなる.それだけに,同じ環境がよそでは得られないがために仕事場でしか仕事ができないというのがなんとも口惜しい.家に帰ってから,あるいは出先から,勤務先や研究室と同じ環境を作ることができさえすれば,あの原稿を〆切りに間に合わすことができるのに,まだやり残してきた仕事を片付けることができるのに.ネットワークを自由に使いこなすことの便利さに気付いてしまうと,それがまったくない環境にいるのがなんとも不便に感じられるようになってくる.こんな風に思い始めたということは,パワーユーザへの第一歩を踏み出したという証拠だろう.そんなニーズにお応えするのがこのApple Remote Access(ARA)である.
図1 ARAの概念図
ARAは一時Macintoshに標準で付いていたが,現在はversion2.0として「サーバ」と「クライアント」が別々に販売されている.これからもわかるように,ARAを用いる場合には仕事場のMacintosh(「サーバ」)と自宅や移動先で使うMacintosh(「クライアント」)のそれぞれにARAをインストールしなければいけない.Macintoshにはモデムがあらかじめ内蔵されているものもあるが,そうでないMacintoshを使う場合にはモデムが必要である.サーバ,クライアントの両方にモデムがインストールされていないといけないのは言うまでもない.またARAで使用できるモデムは最低14400bpsの速度のものでないと使いものにならない.もしARAで利用するために初めてモデムを購入するのならば,あらかじめその旨を販売員に伝えてどれがよいか相談するのもよいだろう.
3)それからユーザ登録を行う.メニューバーの「準備」から「利用者&グループ」を開き,利用者の情報を登録し(図3),そのアイコンをクリックしてさらに詳しい情報を登録する(図4).ここのリモートアクセスの欄で「利用者に電話をかけて接続することを許可」は必ずチェックしておくが,その下の「折り返し電話」の欄は任意であり,選択する際にはARAが電話をかけ直すための電話番号を入力する.
例えば自宅からARAを利用するのなら,ここを自宅の電話番号に設定しておくと,自宅から電話をかけるだけですぐに自宅にコールバックしてくれる.登録された電話番号のみにコールバックするため,セキュリティ度を上げることができる.また自己負担は電話1回分だけですむため料金的にも非常にお得だが,サーバのある会社なり研究室側の料金負担になるため,必ず管理者の了承を得る必要がある.了承が得られれば公用における通信費を勤務先側で負担してもらえるという意味でも有効な手段である.逆にさまざまな出先からアクセスする人にはこれを選択しない方がクライアント側の電話番号を限定しないため便利である.
| 図3 「利用者&グループ」画面 | 図4 利用者の情報を登録 |
(2)クライアント側の設定
クライアント側の方も同様にインストーラでソフトウェアをインストールし,接続する相手先のアカウント,パスワード,電話番号などを一旦設定すると,後は自動的にサーバへ電話をかけてくれ,接続されると仕事場のMacintoshとまったく同じ環境が可能になる(図5).接続できたことを確認できれば,後はクライアント側のMacTCPの設定等によってインターネットを利用することもできるが,クライアント側のMacintoshに独自のIP番号を割り当てた上で必要なソフトウェアがインストールされていないと使いものにならないのは言うまでもない.あくまでもARAはサーバ側との接続ができたということだけであり,ARAがつながったイコールインターネットとつながった,ということではないことを強調しておきたい.