目次索引著者紹介

第1章

 誰でもできる簡単セットアップ――4の2

Apple IP GatewayによるTCP/IP接続

鵜川義弘

 ARAで研究室に接続すると,研究室のMacintoshのハードディスクをAppleShareで共有したり,プリンタを使うこともできる.しかし,このままでは,ARAで接続したMacintoshでWWWブラウザを起動しインターネットの情報を直接検索することはできない.これは,ARAが,AppleTalkという方法で2台のMacintoshを接続しているだけなので,Macintosh関係の情報しか通してくれないためである.インターネットで使用するTCP/IPという方式の情報をAppleTalkの中に混ぜて通すには,Apple社のソフトウェアであるApple IP Gatewayを使用する.


参考:同様のことを行うハードウェアとして,FastPathやGatorBoxという製品もあるが,この目的だけに使用するには,高価である.
脱線:1台のMacintoshの画面の中に,もう1台のMacintoshの画面を表示させ,その操作を可能とする,Timbuktu Pro(図1)というソフトウェアがある.これは,AppleTalkの接続のみでも動作するので,間接的ではあるが,ARAで接続したMacintoshから,研究室のMacintoshで動いているWWWブラウザを操作することはできる.似たソフトウェアで,MacRemote,MacLoginというオンラインソフトウェアもある.

1.ARA ServerとApple IP Gatewayの接続

 図2にARA Serverと,Apple IP Gatewayの接続を示す.Apple IP Gatewayは,EtherNetポートを持つMacintoshにインストールし,それを持たないMacintoshがTCP/IPで通信するときに間に入ってTCP/IPのデータの橋渡しをする.
 この方法を使うと,ARAで外部から接続してくる場合に限らず,Ethernetポートを持たない(LocalTalkのみの)機種でも,TCP/IPの情報も変換してくれるので,EthernetCard等を購入せずにWWW等の利用をすることができる.図2は,Apple IP GatewayとARA Serverが別のMacintoshになっているが同じMacintoshで運用することも可能である.また,ARA Server,LocalTalk Macの数が増えてもソフトウェアの設定を変更するだけである.

 図2 ARA ServerとApple IP Gateway接続の関係図

 Apple IP Gatewayの設定は,Gateway Managerを使って設定する(図3).

 図3 Gateway Managerのアイコン

 図4の例では,用意してある複数のアドレスから,利用時に空いているアドレスを自動的に選択し取得する「Automatic IP Addressing」で2個,あらかじめ決めておいた「Manual IP addressing」で1個設定している.これらの数は例であり,所属機関から与えられたIPアドレスの許す範囲で,自由に設定できる.ARAで接続するMacintosh用には,ARAサーバと同数のIPアドレスをAutomatic IP Addressingで確保し,LocalTalkで接続するMacintosh用には,IPアドレスを1台ずつManual IP addressingで確保するのも一案である.

 図4 Gateway Setup画面

2.Apple IP GatewayをインストールしてあるMacintoshのIPアドレスの設定

 Apple IP GatewayをインストールしてあるMacintoshのIPアドレスは,この設定とは別にコントロールパネルのMacTCP(またはTCP/IP)で設定する.もちろん,クライアントに与えるアドレスとは,まったく別のアドレスでなくてはならない.
 執筆時点で,Apple IP Gatewayは,OpenTransportのTCP/IPには対応していなかったのでMacTCPで設定してある.留意してほしい.
 クライアント側の設定は,それぞれの接続形態に合わせて,同じIPアドレスの取得方法を選択する.すなわち,「Automatic IP Addressing」で接続するクライアントでは,TCP/IP(MacTCP)の設定の項(p27図7)の「Obtain Address」で「Server」を指定する.また,「Manual IP addressing」で接続するクライアントの場合には,TCP/IP(MacTCP)の設定を「Obtain Address」で「Manually」を指定し,「Manual IP addressing」で設定したアドレスと同一のものを指定する.
 ARA ServerやApple IP Gatewayとして運用を開始したMacintoshは,ワープロなど,他の仕事との併用も可能であるが,これらの機能を複数の人が頻繁に使用するならば,不意のフリーズを起こさせないためにも,専用マシンとして,24時間体制で動かすべきだろう.安定運用を考えるなら,PPPサーバ等専用ハードウェアの購入も検討する必要がある.